合同会社とは
合同会社とは、2006年5月1日に施行された会社法にて新しく確立された会社形態です。
株式会社が多数を占めている日本ではあまり馴染みのない形態かもしれませんが、アメリカでは広く普及しています。
そんな合同会社は、日本においても価値があるのでしょうか?
新しく会社を設立するならば合同会社にすべきかどうか、メリット・デメリットの観点から考えていきましょう。
合同会社を設立するメリット
合同会社を設立するメリットは、「設立費用」「余剰金」「税制度」の3点にあります。
それぞれ内容を確認していきましょう。
設立費用が抑えられる
会社を設立する際には諸費用がかかります。
一般的に、「定款用収入印紙代」「定款の謄本手数料」「定款の認証料」「登録免許税」の4つは、株式会社の設立に必要な費用です。
一方で、合同会社の場合は、「定款の謄本手数料」と「定款の認証料」が不要かつ、「登録免許税」の最低額は7万円ほど安く設定されています。
設立に際する費用だけでも合同会社の方がハードルが低いのです。
剰余金の分配に制約がない
「剰余金」とは、資本金や資本剰余金を除いた残りのお金です。
株式会社では株主総会を開かないと剰余金の使い道を決定できませんが、合同会社ならば株主総会を開く必要がないので自由に使い道を決定できます。
株式会社と同じ税制度
合同会社は、株式会社と同じ税制が適用されます。
法人税率の軽減制度や消費税の節税制度は「株式会社と同じように優遇されている」ということです。
そのため、株式会社より設立のコストを抑えながらも、株式会社と同じくらいの優遇制度が受けられるというメリットがあります。
合同会社を設立するデメリット
合同会社設立の際には、メリットと併せてデメリットも確認しておきましょう。
株式会社より信頼性が低い
一般的に、合同会社は株式会社より信頼性が低いと言われています。
「設立時のハードルの低さ」や「株主から資金調達をしていないという実績の乏しさ」が相対的に社会的な信頼度を下げているのです。
信頼性が低いということは、資金調達や各種審査で不利に立たされる可能性があります。
資金調達の方法は限られる
合同会社は資金調達の手段が限られます。
その代表的な例が「株式」です。
当然ながら、合同会社には株式という制度がないため、株主から直接資金調達ができません。
銀行融資や補助金・助成金を有効的に活用するなど、資金調達に工夫を凝らす必要があります。
上場はできない
合同会社は東証やマザーズといった証券取引所に上場できません。
なぜなら、株式という制度が適用されないからです。
そもそも上場とは、東京証券取引所や大阪証券取引所などの取引所に自社の株式を取り扱ってもらうことを指します。
そのため、株式が発行できない合同会社が上場できないのは当然なのです。
メリットが多い選択をしよう
合同会社の設立にはメリットもデメリットもあります。
株式会社と合同会社のどちらにすべきか、という点は経営の方針によって異なるので、自社にとってメリットが大きいと感じた形態を選ぶと良いのではないでしょうか?
混合しがちな有限会社と株式会社の違いもしっかり確認しておきましょう。
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